翌日手術

 翌朝、寝不足で頭スッキリとはいかないけど、痛みはほとんどなくなっていた。起き上がっていても、吐き気まではしてこないけど、少し冷や汗が出る感じ。もうしばらくゆっくりしていたいな…という感じ。そして、7時半ごろかな?先生が来て、体調の確認やテープの張替えなどをしてくれた。胸の内側は溶ける糸で塗ってあるけれど、表面はテープを貼って塞いでいるので抜糸はいらないんだそう。傷は(確か)24時間で塞がるし、その上から防水フィルムを張っているので、今日からシャワーOK、テープは自然に剥がれるまでそのまま貼っておくとよい、剥がれた後も、市販の同等品を貼っておくと傷口が綺麗に治る、など説明をしてくれた。それにしても、連日、朝早くから夜まで診ていただいて、頭が下がる思いだった。次の診察は約1か月後、腫瘍の病理検査が出た後。抜糸もないし、傷の確認は要らないんだそう。

 朝ごはんも、普通に食べられた。食事はイマイチだったけれど、丸一日食べていなかったので、食べられるのが嬉しかった。その後、看護師さんからも術後の注意点などの説明を受けて、お会計の手続き。通常は昼前に退院するようだけど、私はホテルのチェックインの関係で、午後まで居させてもらった。

 吐き気などは治まっていても、立っているのは少し辛い。軽い動機がして、冷や汗が出てくる。やっぱり、体力ないからね…。たった一駅だけど、電車はやめて、病院からタクシーでホテルに向かった。

 ホテルに到着して、ほっとして、ベッドでゴロゴロ。ふー、一仕事終えた、そんな感じ。恐る恐る、鏡で手術後を見てみた。右胸全体に白くて細いテープが横にペタペタ貼ってあり、その上に透明な防水フィルムが張られている。センチネルリンパ節生検をした、腋にもテープが貼ってある。生検の染色よるものか、腋は青くなっていた。青というより、藍かな。手術箇所が右胸の右上部分だったので、腋のあたりが腫れて、切除した部分が削げた、不自然なフォルムになっている。これ、腫れが治まったら、自然な形になるのかな…と不安で悲しい気持ちになった。

 夜になると、体調も落ち着いてきたので、近くのファミレスへ。大好きな香味野菜のハンバーグ、ご褒美だ!絶食→病院食→ハンバーグ、なので、お腹がちょっとごぼごぼしたけれど、「健康でおいしく食べられる」ことのありがたみを感じた。

 翌日には、さらに体調も落ち着き、無事に飛行機で帰宅。手術跡に気を付けながら、キャリーケースもガラガラ引いて歩いた。「周囲の人は、私が乳がんの手術直後だなんて思いもしないんだろうな」と思いながら。