放射線治療後③、そして年末年始

    かさぷたや脱皮(笑)と闘っているうちに、お正月に突入。例年どおり実家に帰ったけれど、年が暮れていくのも、新しい年を迎えるのも、特別な気持ちで過ごした。

 放射線治療の火傷症状はまだ残っているけれど、入院したり、毎日通院したりの大きな治療はひととおり終わって、穏やかに新しい年を迎えられることに感謝した。夏の初めにがんと診断された頃は、そして、「ステージ4かもしれない」と言われた頃は、一通り治療を終えた状態で、さらに、傍から見ればいつもと変わらない状態でお正月を迎えられるとは、思っていなかった。実際には、精神的ダメージは相当に大きかったし、手術したほうの胸は半分の大きさになって、大きな傷ができて痛いし、脱皮中だし(笑)。どうしてがんになったのか、どうして運良く良い先生に巡り合えたのか、これから何をすべきなのか・・・まだやるべきことが残っていて、生かされているんだろう、治療が落ち着いたら、それをしっかり考えなければ、と、決意を新たにした。

 実家の風呂は物置状態になっているので、脱皮も落ち着いてきたし、思い切って温泉に行ってみた。手術の前は、「手術したら銭湯に行けない!」などと思っていたけれど、ひと山超えたせいか気持ちが大きくなり(?)、傷を見られたって、どうってことないや、と思うようになっていた。それは、先生の腕によるところも大きいと思う。Dカップが半分になるほど切ったけれど、陥没したり、すこし離れて見ればいびつさがあるわけでもなかった。大きな傷があって、よく見れば左右の大きさは違うし、脱皮でまだら模様になっているけれど、湯気が立ち込める中、人の胸を間近でじろじろ見る人もいないし。むしろ、誰かに「手術したの?」って聞かれたら、「そうです。乳がんです。でも、早く発見できて、ちゃんとしたお医者さんに手術してもらえば、ダメージ少なく済みますよ。」って話そうと思っていた。

 実際は、やはりジロジロ見られないし、気づいた人がいたとしても、誰にも何も言われなかった。温泉に入るのは久しぶりで、ゆっくり浸かりたかったけれど、広範囲のかさぷたは気になったので、軽めにすませ、特に沁みたりすることなく無事に温泉から上がった。

 治療が終わってから、かさぷたが落ち着くまでは、1か月くらいかかったと思う。放射線科の先生が言うように、皮膚の状態は徐々に元に戻ったけれど、日焼けのような皮膚の黒さはうっすら残り、3年近くたった今でも、そのまま。そして、ほくろが増えた気がするなぁ。そして、やはり、夏でも右胸だけは汗をかかず、さらっさらのままです(笑)。