放射線治療の途中経過②

 治療中は、週に1回、先生の診察があった。4週目に入ったあたりだったか、診察の際に、先生から「あ~、少し赤みが出てきてますね。塗り薬出しておきますね。」と。その頃からは体感的にも、患部が常に熱を持った感じがしていたが、まだ痛いというほどではなかった。薬は、火傷のときなんかに出される、青い半透明の軟膏。温度が低いと固めで、体温ぐらいになるとてろっとする、ニオイもそんなに強くないヤツ。軟膏をマジックの上から塗るのは抵抗があったけど、ま、仕方ない。軟膏とマジックとシルクスカーフが貼りつく感じが気持ち悪くて、熱感や痛みより断然気になった。多く塗り過ぎると、服にも染み出してきちゃうし、加減が難しかった。

 そして、やはりこの頃から、体のだるさが気になるようになっていた。ちょうどお昼が掛かる時間帯だったので、だるさが放射線治療のせいなのか、昼食後の眠気・だるさなのか、区別がつかない。でも、だるさは日に日に強くなっている気がした。先生は、放射線治療とだるさには、医学的には関連性がない、と言っていたけれど、実際治療を受けた身としては、全く無関係ではないのでは?と思う。だって。放射線で細胞を殺す、がん細胞は死滅するけど、正常な細胞は再生する…ってことは、正常な細胞を修復するためにエネルギー使ってるってことだもの。治療が終わって昼食を取った後は、車や自宅で一休みしてから、職場に戻っていた。通院のため、職場の近くに駐車場を借りていたので、車で休みながら、「早く治療が終わればいいな。そしたら、今見ている駐車場の景色も、『治療中はだるかったな~』なんて思い出したりするのかな。」なんて思っていた。