転院

 首都圏にあるX病院の先生が、HPで公開で質問を受け付け、回答していた。それを見ると、ガイドラインの標準治療では何をするかが論理的で明快に説明されていて納得のいくものだった。さらに、他病院でがんと診断された人の転院も積極的に受け入れていたので、私も思い切って連絡してみた。

 すぐに、「A病院の医師の方針には疑問がある。当病院で受け入れ可能です」という回答をくれた。詳しくは検査結果を見てからだが、まずは診察日の予約と手術日の仮押さえをして、転院手続きを進めてくれることとなった。

 A病院で転院の手続き。看護師さんに転院したい旨を伝えると、医師との面会はなしで、手続きは済んだ。「セカンド・オピニオンのためですか?」と聞かれ、「いえ、転院です」。迷いは全くなかった。それまでの検査結果と画像CDを受け取った。書類をたくさんもらうイメージだったが、今どきは画像はCDなのね、と思った。

 X病院での診察は、それから1週間ほど後で、ちょうど夏祭りの時期だった。にもかかわらず、運よく飛行機が取れた。診察は1日だけだったが、念のため、2泊3日で予定を組んだ。