知人の情報

 これからどうしようか・・・と思っていた。転院するにも、県内じゃ一番大きい病院を拒否して、受け入れてくれる病院あるんだろうか、とか、離れた場所だとどうやって手術や治療を受ければいいんだろう、とか、ぐるぐるしていた。そんな時、昼休みに、ロビーで偶然知人に遭遇した。定年退職後も時々職場に顔を出してくれていて、「しばらく飲んでないな。近々飲もう」と言ってくれたので、「実は、乳がんだと判明して、A病院で詳しく検査中なんです」と打ち明けた。彼には医者の友人がいて、自分や奥さんが病気になった時、その友人が的確なアドバイスをくれたそうで、私のがんについても、現時点の検査結果を知らせて、情報を聞いてくれることになった。

 翌日には、もうアドバイスを回答してくれた。内容は、その大きさで転移がなければ、通常はまず手術、温存手術なら手術後に放射線治療をする、A病院の評判は良くないので、そこよりは隣県の国立医大付属病院を勧める、粘液がんはA病院でも症例が多くないせいかA病院の先生の方針は少しおかしい、転院を勧める、とのことだった。

 このアドバイスを聞いて、私が感じていた違和感は不安は間違っていない、と確信できた。そうだよね、A病院の方針は、ガイドラインから外れてるよね。「後でもめたら困る」なんて言い放つ病院で治療は受けない、と決めた。がん保険から診断給付金が少し出るし、さすがにがんなら、正々堂々と仕事休んでいいよね、と思い、首都圏も含めて、広く病院の情報を検索することにした。